㊾ 📘 業界激震!プロ講師が知るべき「映像レッスン」と「全有料化」の裏側
【記事の読者像】
フィットネスインストラクター、パーソナルトレーナー、スポーツクラブの運営関係者、サービスの変化に疑問を感じている利用者。
👑 導入:業界を襲う「究極の危機」と人件費削減の現実
コロナ禍以降、フィットネス業界は物価高騰とコロナ後の利用者減少という二重の危機に直面しています。水道光熱費や維持コスト(特にプール)の上昇は避けられず、多くのクラブが経営目標の達成に苦しんでいます。
クラブが生き残りをかけて最初に行うのが「経費削減」です。その中でも、コストとして単価が高く、見直しの対象となりやすいのが、私たちインストラクターへの外注費(委託契約費用)です。
これは「あなた(講師)の指導の質が低い」という意味ではありません。「店舗存続」のために、人件費削減が最終手段として実行されている、厳しい現実があるのです。
🔥 Part 1:企業が発動する「地獄のコスト削減策」と矛盾
店舗存続の危機に瀕したクラブが発動する、究極のコスト削減策(人件費をゼロに近づける施策)には、主に以下の3パターンがあります。
1. レッスン枠の消滅と「映像レッスン」への変更
集客が規定人数を下回っているレッスン枠は、来期に契約見送り(消滅)の可能性が高まります。その穴埋めとして登場するのが、人件費が劇的に削減できる映像レッスンです。
映像レッスンとは?
巨大スクリーンに映し出された録画映像を見ながら行うエクササイズです。対面指導の講師は不要となるため、クラブ側にとっては人件費がゼロになるというメリットがあります。
2. スタジオレッスン「全有料化」と交通費の撤廃
これは、あるクラブで実際に発動された究極の施策です。
施策の内容: 全てのスタジオレッスンを有料化(月会費とは別に、都度料金が発生)し、交通費の支給を撤廃する。
クラブ側の狙い: 講師への報酬支払いと交通費支給をゼロにし、クラブの支出を抑制することに成功しました。
この施策は、クラブ側の利益(支出削減額)が、退会者による月会費収入の減少を上回れば「店舗存続」という目的から見て成功と言えるかもしれません。しかし、現場ではお客様が無料から有料になったことに耐えられず、退会者が続出し、集客人数も激減しました。
3. 無料レッスン短縮に見る「論理破綻」
かつて60分が主流だったスタジオレッスンが、コロナ禍以降、45分へ、そして30分へと短縮されました。クラブ側は「換気・消毒時間の確保」や「コスト削減」を理由としてきましたが、同じ場所で有料レッスンは60分以上も可能なクラブが多いという矛盾があります。
感染症対策が真の理由であれば、無料(クラブ支出)と有料で時間枠が異なるのはおかしいでしょう。
真の理由(筆者の推測): 利用者減少による店舗収入減少への対応であり、クラブ支出ではない有料レッスンには短縮ロジックが適用されなかった。これは、経営上の事情が最優先された結果なのです。
🏢 Part 2:映像レッスン導入の真実と三者の影響
映像レッスンの導入は、クラブの「人件費削減」という本音に基づいています。しかし、クラブ側はお客様の信頼を失わないよう、この変化を「ソフトランディング(軟着陸)」させようとします。
ソフトランディング戦略:
ターゲットを絞る: 人気のないレッスン枠を映像に置き換える。
有効性を強調: 「周りに見られるのが恥ずかしい」「通常レッスンについていけない」お客様にとって、有効な補助ツールであることを強調する。
クラブ側は、「お客様の目的達成のための適材適所なサービス提供」という形で、変化を受け入れさせようとしているのです。
映像レッスンの導入は、各立場にどのような影響を与えるのでしょうか。
| 立場 | メリット | デメリット |
| お店(クラブ) | 人件費の劇的な削減、運営の安定化。 | 顧客満足度の低下、リアルレッスン重視層の退会リスク。 |
| インストラクター | リアルレッスンの価値が再確認される(対面指導の差別化)。 | 存在価値の低下、契約の機会損失、モチベーションの低下。 |
| お客様(利用者) | 柔軟なスケジュール、心理的ハードルの低さ、気軽に試せる。 | 効果実感の難しさ、モチベーションの維持が困難、質問や相談ができない。 |
✅ Part 3:業務委託者に必須な「二つのキャリア防衛戦略」
不安定な契約形態で働く私たち業務委託者は、突然の施策発動や店舗閉店の兆しを感じとり、「座して死を待つ」ことを避ける勇気と準備が必要です。
1. 【戦略1:現場での自己防衛】「集客力」を磨く
結局のところ、集客が規定人数を下回らなければ、「講師の変更」や「映像レッスン」には変わりません。
「外せないレッスン」になる: 講師は常に集客人数をチェックし、「お客様が受講したくなるレッスン」を提供し続ける必要があります。
「MITSURUさんのレッスンは外せない!」そう言われる存在になるために、レッスンの質を磨くことが、何にも代えがたい自己防衛であり、クラブへの最大の貢献となります。
2. 【戦略2:経営危機からの離脱】「戦略的転進」の準備
クラブ側の公式な決定(内示)は突然、秘密裏に下されます。しかし、過去の失敗(寝耳に水の状態で施策に直面し、大失敗に終わった経験)から学んだのは、情報察知の鋭さと早期準備の重要性です。
情報察知の鋭さ: 現場のイベント担当者など店舗社員と日頃から密にコミュニケーションをとり、雑談も含めて経営の「兆し」を感じ取る鋭さを養いましょう。
戦略的転進の準備: 有料レッスンへの切り替えや店舗閉鎖など、大きな変化の兆しを感じたら、感情論ではなく、速やかに「次の活路を見出す」準備を進めることが、フリーランスとしての成長と安定につながります。
あなたの素晴らしい才能を、突然の経営危機で終わらせないよう、常に自己投資と危機管理を続け、プロフェッショナルとして更なる輝きを掴みましょう。
💡 結論:講師とクラブの未来のために
クラブが閉店すれば、そこで運動する高齢者の健康維持も後退し、業界全体が衰退しかねません。未来のフィットネス業界のためには、講師とクラブが本音で向き合い、共同で収益向上を目指すことが不可欠です。
そして、この問題の根本的な解決には「景気の回復」が必要です。私たち個人にできることは、世の中の気分が上がるような「政(まつりごと)」に意識を向け、自分が思う政策に一票を投じることも、間接的に業界を救う一歩になると筆者は考えます。
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